原子力規制委員会の5人の委員のうち、石渡明委員と田中知委員は18日、2期10年の任期を満了して退任します。
このうち、地震や津波など自然災害対策の審査を担当した石渡委員は、去年、原発の運転期間を実質的に延長する政府の方針を受けて行われた、原発の老朽化に対応する新しい制度の採決で、「安全性を高める方向での変更とは言えない」などと主張して5人の委員のうちただ1人、反対しました。
これについて、退任会見で石渡委員は、「私の考えは一切変わっていない。意見が通らなかったのは残念だ」と述べたうえで、「安全性の懸念については、われわれのあとの委員の方々がきちんとした審査をして判断するものと期待している」と述べ、後任に託す考えを示しました。
また、核セキュリティ対策や核燃料サイクル施設などの審査を担当してきた田中委員は、「規制側としての独立とともに、世の中の動きを知るのも大切で“孤立しない独立”を重視してきたし、今後も重要だと思う」と述べ、社会情勢が変わる中でも独立して原子力の規制を行う重要性を語りました。
規制委員会の新しい委員には、原子力工学が専門の長崎晋也氏と、地震学と火山学が専門の山岡耕春氏が19日就任します。